今回ご紹介するのは、大阪府吹田市を拠点に、家庭用の太陽光発電・蓄電池を全国で展開する「株式会社アローズコーポレーション様」です。住宅会社と組み、そのOB顧客(既存オーナー)への提案から販売・施工までをワンストップで担う、アライアンス事業を手がけています。
金利の上昇、物価高、少子高齢化が重なり、注文住宅の販売だけで収益を伸ばし続けることが難しくなっています。一方で、過去に住宅を引き渡したお客様との接点は、引き渡し後に薄くなりがちです。そこに悪質な訪問販売が入り込み、長年の信頼が損なわれてしまう例も少なくありません。
同社が手がけるのは、住宅会社の名前でOB顧客に情報提供を行い、太陽光・蓄電池やリフォームを提案していく取り組みです。ある静岡の工務店では、4か月で太陽光関連の売上が約3.5億円、契約率77%、アポ率40%という数字も出たといいます。人と時間のリソースを割かずに収益機会を作りながら、お客様を訪問販売から守ることを両立させる狙いがあります。
本記事では、同社の沼田尚佑氏に、注文住宅だけに頼らず工務店・ビルダーが生き残るための「既存顧客を守る」収益モデルについて詳しく伺いました。
▼本インタビューは動画でもご覧いただけます
目次
会社概要と事業内容
話し手

株式会社アローズコーポレーション 沼田 尚佑氏
大阪府吹田市広芝町に本社を構え、関西から関東、中部、中国、四国・九州まで全国に営業網を持つ会社です。2006年7月に保険事業から出発し、現在は家庭用の太陽光発電・蓄電池を中心に、HEMS、オール電化、リフォームなどの販売・施工を手がけています。住宅用太陽光発電・蓄電池の売上高では、国内でも上位の実績を持つとしています。
沼田氏は前職のセキスイハイムで約9年間、住宅営業に従事し、全国の営業成績で1位を獲得した経験を持ちます。太陽光・蓄電池に携わって15〜16年というキャリアを背景に、現在は同社で営業の育成や代理店との協業を担っています。
▼株式会社アローズコーポレーション 公式ホームページ
https://www.arrows-corp.co.jp/about/
工務店・ビルダーの「二極化」— 生き残りを分ける既存顧客への目線
今後、工務店・ビルダーがどう生き残っていくのか。率直なお考えをお聞かせください。
ありがたいことに、当社は現在、全国で200社以上の工務店・ビルダー・ハウスメーカーと、太陽光・蓄電池をきっかけにご縁をいただいています。そのなかで率直に感じるのは、本当に二極化しているということです。うまくいっている会社は安定して順調ですし、苦しんでいる会社は本当に苦しんでいます。
工務店は新築住宅を建てることがメインのお仕事です。ただ、収益という観点で見たとき、これまで住宅を販売したオーナー様、つまり過去のお客様にしっかり目を向けることが、今とても大事になってきていると感じています。
お客様は、その会社を信頼して家を建てています。だからこそ、改めてそのお客様に目を向けることが、収益の面でも、アフターサービスを通じた顧客満足度や紹介につなげる面でも、重みを増していると考えています。実際にオーナー様のご自宅に伺うと、過去のお客様へ定期的に働きかけている会社ほど、業績も順調な印象があります。

「内製化」から「外部活用」へ — 住宅会社の意識が変わったこの2年
過去のお客様に対応したくても、人手やリソースが足りない会社も多いと思います。
そうです。どうしても新しく家を販売することがメインになりますから、過去のお客様に割ける人と時間を確保するのは、多くの会社にとって難しいことです。やらなければと分かっていても手が回らない、というお話はよく伺います。
昔は、こうした話をしても「いずれ人を増やして、時間をかけて内製化するよ」という会社がほとんどでした。ただ、この2年ほどで、工務店・ハウスメーカー・ビルダーの考え方が変わってきたと感じます。
プロはプロに任せる、外の力を借りて自社の取り組みとして進める。そうした外部活用の発想が、かなり受け入れられるようになってきました。お困りの部分があれば、当社の事業とうまく連動させて協業できると考えています。

住宅会社の名前で届ける、OB顧客への「情報提供」という入り口
具体的には、どのような取り組みになるのでしょうか。
当社には家庭用の太陽光発電・蓄電池という商材があり、電気代の高騰という背景もあります。ただ正直なところ、太陽光の業界は、住宅会社様から見ると「ピンポン営業の訪問販売会社」というイメージを持たれがちで、お恥ずかしい部分があります。
当社はそうした会社ではありません。工務店・ビルダー・ハウスメーカーと組み、過去のOB様、つまり既存オーナーに対して、住宅会社様のお名前でアプローチします。お客様からすると、「家を建てた会社が情報提供をしてくれている」「気にかけてくれている」と受け取っていただけます。
しかも、住宅会社側は人と時間のリソースを割く必要がありません。住宅の点検も行えますし、今は悪質な訪問販売が増えていますから、お客様を守るという観点でも、一件一件ご案内していきます。展示場のオープンや完成見学会のご案内を、お客様一人ひとりにお伝えすることもできます。

DM→架電→訪問。強引なクロージングをしない営業フローの全体像
既存のお客様にアプローチする仕組みは、どのような流れなのでしょうか。
ベースとなる一連のフローはありますが、仕組み自体はすべてカスタマイズできます。工務店様ごとに考え方も、やってほしいことも違いますから、ご意向に合わせて作り込みます。
ベースの流れとしては、まず当社がDMを作成します。「こういった取り組みが始まりました」という簡単な内容です。それを工務店様にご確認いただき、問題なければ当社が発送します。1週間ほどでお客様の手元に届いたころに、本社から一人ひとりにお電話します。
電話も、営業というより「DMをご覧いただけましたか」というところから入ります。太陽光・蓄電池であれば、伺うことはシンプルに二つです。「訪問販売は来ていませんか」「電気代は上がっていませんか」。この二つで自然と会話が進みます。そのうえで、正しい情報提供ができる会社としてアローズコーポレーションが伺いますので、とお伝えしてアポイントをいただきます。
訪問時も、「今決めてください」というクロージングは一切していません。情報提供のなかで電力事情をお話しし、納得された方は進める、合わない方はやらない。当社としては、営業に行っているという感覚はあまりありません。こうした姿勢が、お客様の満足にもつながっていると感じています。

築年数で変える提案 — 太陽光・蓄電池とリフォームの使い分け
太陽光・蓄電池以外の提案もできるのでしょうか。
はい。当社の太陽光という商材は、直近から15年ほどのお客様が該当するケースが多いです。20年、25年と経つとお客様もご年配になり、「良いのは分かるけれど初期費用は難しい」という回答も増えてきます。
ですので、歴の長い工務店様であれば、直近から15年ほどのお客様には太陽光・蓄電池、それ以上経っているお客様には外壁や屋根の塗装といったリフォームでアプローチする、という使い分けもできます。リフォームは当社でも対応しますし、規定のフィーをお返しします。工務店様ご自身でできることが多ければ、当社はアポイント取得だけを担う形も選べます。
工事や材料の手配も基本は当社が行いますが、工務店様に施工の人員があれば工事は自社で、材料も自社発注で、当社は営業だけ、という分担も可能です。過去のお客様へ一斉にアプローチすることはなかなかできませんから、できることを幅広く組み合わせていけます。

アフター部署の立ち上げまで — OJTで内製化を支援する仕組み
「アフター対応をどう収益化すればいいか分からない」という会社も多いと思います。
そうした場合は、責任者の方に当社の営業へ同席いただき、現場で実際の提案を見ていただくこともできます。点検からアポイント取得、見積もり提案までの流れを間近で見ていただきながら、既存オーナーにアプローチする部署を一緒に立ち上げていく、という進め方です。
自社だけで経験のない状態から始めると、意外と時間がかかります。最短で仕組みを確立する部分や、営業の知識面でもお手伝いしています。外部にコストをかけずにカスタマーサポートチームを持つようなイメージで、内製化に向けた支援もできると考えています。

静岡の工務店で4か月・約3.5億円。「お客様を守りながら収益化」
実際に成果が出た事例はありますか。
数字はお客様の数や、工務店様とお客様の距離感によってさまざまです。そのうえで、先日、静岡で取り組ませていただいた工務店様では、4か月で太陽光関連の売上が約3.5億円ほど上がったイメージです。契約率は77%ほど、アポ率は40%ほどという数字も出ています。
当社は訪問販売の会社ではなく、住宅を売っていた人間が提案する太陽光・蓄電池の会社です。現場で強引に進めることはなく、入り口でしっかり情報提供をします。電気代がこれだけ上がっているなかで丁寧にお話しすれば、費用対効果としての数字はおのずと見えてきます。その結果として規定のフィーを工務店様にお返しし、4か月で数千万円規模になった形です。人も時間も割かずに収益が生まれた実績だと捉えています。
その取り組みがなければ、収益がないどころか、悪質な訪問販売に荒らされてしまう可能性もあります。よく分からない金額で、よく分からないメーカーの商品を、よく分からない工事で付けられ、太陽光を設置した途端に雨漏りが起きた、という話も耳にします。だからこそ、お客様を守りながら収益化しましょう、ということです。

規模を問わず相談できる体制と、住宅会社へのメッセージ
サービスを受けられる会社に、規模などの制限はありますか。
以前は「顧客数が2,000件ないとお受けできない」という条件もありました。ただ、今は縛りはありません。累積のお客様が100件、200件でもご相談いただけます。もちろん多いほど収益は大きくなりますが、基本的にはどのような会社様でもご相談いただけます。
私たちからのご提案もありますが、それ以上に、工務店様のお考えや今の課題を伺うことを大切にしています。太陽光は新築時に売っているが蓄電池は扱っていない、どちらも扱っていない、知識がない——お悩みはさまざまです。その課題を当社の仕組みに取り入れて、お客様に届けていく形です。
最後に、私はセキスイハイム時代に全国1位を取らせていただき、紹介を軸に営業してきました。その紹介のもらい方や、当時の営業の進め方もお伝えできます。会社としても200社以上の会社様とのご縁があり、面白い取り組みをされている会社の情報共有もできます。まずは過去のお客様に目を向けるところから、当社のリソースを使っていただければと思います。

既存顧客との信頼を、引き渡し後の収益機会に変えませんか?
アローズコーポレーション様が示した「人も時間も割かずにOB顧客から収益機会を生む」取り組みと「悪質な訪問販売からお客様を守る」という考え方は、偶然うまくいった話ではありません。住宅を引き渡した後に薄くなりがちなOB顧客との接点を、信頼を損なわない形で再び収益につなげられるかどうかが、これからの工務店・ビルダーの明暗を分けつつあります。
「OB顧客への追加提案を仕組み化したい」「省エネ商材を提案したいが社内体制がない」「営業代行は使いたいが強引な営業は避けたい」。
こうした課題に対し、株式会社アローズコーポレーションのアライアンス事業は、工務店・ビルダー・ハウスメーカーが持つ既存顧客との信頼関係を活かし、太陽光・蓄電池・リフォームの提案から施工までをワンストップで支援する共同事業の仕組みです。自社で営業・施工の体制を持たなくても、OB顧客への追加提案を仕組み化できます。
ブランディングテクノロジーのeslabでは、この共同事業スキームをまとめた資料を無料でご提供しています。資料では、工務店・ビルダー・ハウスメーカーと相性が良い理由、既存顧客へのアプローチ方法の全体像、提案から施工完了までの役割分担、顧客満足度を落とさず収益化するポイントを紹介しています。引き渡し後の収益機会を見直したい住宅会社の経営者の方は、ぜひ一度ご覧いただければと思います。

【アローズコーポレーション】工務店・ビルダー・ハウスメーカーが既存顧客からの収益機会を広げる方法
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