今回ご紹介するのは、岡山県岡山市で相続・不動産・保険を手がける「株式会社デザインライフ様」です。相続事務所・総合保険事務所・不動産コンサルタント事務所の三本柱を持ち、相続に特化したコンサルティングを強みとしています。
高齢化が進むなか、不動産が動くのは多くの場合「相続が発生したとき」です。とはいえ、いつ相続が起こるかは誰にも分かりません。亡くなったタイミングや遺産分割協議の場に、都合よく声がかかるわけでもない。多くの不動産会社が抱えるこの悩みに対し、同社は「相続の相談窓口」になることを起点とした事業づくりに取り組んできました。
2015年に独自の相続コンサルティングモデルを確立し、その後は相続コンサルタントのフランチャイズ事業も立ち上げています。取材時点で全国20拠点近く、50名を超える相続コンサルタントが研修や事例共有を重ねながら成長を続けています。
本記事では、同社代表取締役 杉村洋介氏に、相続を入口に「大手と比較されない」営業をどう築くのかについて詳しく伺いました。
▼本インタビューは動画でもご覧いただけます
目次
会社概要と事業内容
話し手

株式会社デザインライフ 代表取締役 杉村 洋介氏
岡山県岡山市北区に本社を構え、相続事務所・総合保険事務所・不動産コンサルタント事務所の三本柱で事業を展開する会社です。相続・事業承継の相談を入口に、遺言書や家族信託、任意後見、死後事務委任などの書面組成に対応するほか、宅地建物取引業者(国土交通大臣(1)第10649号)・保険代理店としても登録があり、不動産・生命保険・損害保険にまたがる相談に幅広く応じています。
代表の杉村洋介氏は、2011年に総合保険代理店を開業し、ファイナンシャルプランナーとして年間200件以上のライフプランニングに携わるなかで、保険と相続・事業承継の密接な関係に着目しました。2015年に相続事務所を開業し、宅地建物取引士やAFPなどの資格を背景に、相続のプロフェッショナルとして中国・四国エリアで実務経験を積み重ねてきた経歴を持ちます。
▼株式会社デザインライフ 公式ホームページ
https://www.design-souzoku.jp/
拡大する相続市場——高齢化・年間約160万人の相続・900万戸の空き家
まず、相続市場をどのように見ていらっしゃるか、その背景からお聞かせください。
マーケットの観点でいうと、相続市場は拡大傾向にあります。現在は3.5人に1人が高齢者とされ、高齢者がもっとも増えるのは2043年前後と見られています。これから先も、高齢の方はまだまだ増えていきます。
そのなかで、認知症や介護など、さまざまな問題が起こってきます。不動産にひきつけて考えると、毎年およそ160万人が亡くなり、そこには空き家や実家をめぐる問題が伴います。空き家は今、900万戸近くまで増えてきました。
こうした問題について、専門家である不動産会社が相談を受け、寄り添いながら「これは課題ではないでしょうか」と気づきを促し、対策の提案まで持っていく。最終的な出口は、売却だったり、解体だったり、再建築だったりします。だからこそ、相続を「きっかけ作り」として営業活動に取り組んでいくのが有効だと考えています。
なお、杉村氏が挙げた数値は、いずれも公的統計とおおむね整合しています。65歳以上人口の割合は2020年時点で28.6%(3.5人に1人)とされ、2043年にピークを迎えると推計されています。
出典:日本の将来推計人口(令和5年推計)|国立社会保障・人口問題研究所 https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2023/pp2023_gaiyou.pdf 出典:令和7年版高齢社会白書|内閣府 https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2025/html/zenbun/s1_1_1.html 出典:令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai23/index.html 出典:令和5年住宅・土地統計調査|総務省統計局 https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/

不動産が動く「相続発生時」に、最初に声がかかる存在になるには
相続が起こるタイミングをどう捉えて、アプローチしていくべきでしょうか。
不動産業者として考えると、不動産が動くのは、相続が発生したときです。遺産分割協議が始まるときや、相続税の申告前など、できればその場に居合わせたい。とはいえ、亡くなるタイミングは誰にも分かりませんし、そうそう都合よく呼ばれるものでもありません。
だからこそ、いざというときに声がかかる立ち位置を、自分たちで意図的につくっていく取り組みが要ると考えています。
きっかけの一つは、相続の相談です。相続の相談は、亡くなったあとだけでなく、生前から始まるものです。そのタイミングで声をかけてもらうには、事前に信頼関係を築いておく必要があります。
そのためには、何かを提供していなければなりません。相談に乗って悩みを聞く、知らないことを教える、抱えている問題を前もって解消する。それだけでも評価されますし、「この人は相続に強い」と思ってもらえていれば、相続が起きたとき、最初に声がかかる存在になれます。こうした活動を、意図して生み出していくことが大切だと捉えています。

相続対応は「学べる」——差別化の源泉と、最大の壁である経験値
相続の知識を身につけるのは、ハードルが高いようにも感じます。そこは学べるものなのでしょうか。
簡単とは申しません。ただ、宅建業の不動産売買も、建築の解体・新築・リフォームも、最初は誰もができなかったはずです。相続も同じで、なぜか敷居が高く聞こえるだけで、きちんと学んでいけばできるようになります。むしろ、できる人が少ないからこそ差別化につながります。
もちろん、努力も勉強も欠かせませんし、経験を積んでいく必要もあります。一番難しいのは、この経験値を積むところです。知識は実務をやりながらでも得られますが、行動しなければ頼られる存在にはなれません。だからこそ、まずは早く踏み出すことが肝心だと考えています。

第一歩は「相続相談を受けられます」と見せること——名刺とホームページ
踏み出す第一歩として、具体的に何から始めればよいでしょうか。
まずは、自分たちが相続の相談を受けられると「見せる」ことが大切です。一番手軽なのは、名刺に書くこと。それだけでも「相続相談を受けられます」という状態になります。できる・できないは別として、そこが第一歩になります。
もう一つは、ホームページです。ホームページは、いわば自分の会社の深い名刺のようなものです。自分たちの活動や実績をきちんとブランディングして見せられますし、誰でも比較的簡単に目を通せます。こうして見せていけば、相談が来る可能性は高まります。そういう準備を整えておくことが望ましいと考えています。

提案型営業から「前段階のプロセスで評価される営業」へ——比較されない営業の作り方
今の時代に合った営業の進め方について、お考えを聞かせてください。
今は情報化社会で、YouTubeなどで無料で学べますし、生成AIに尋ねれば根拠まで示された情報が返ってくる時代です。そうしたなかで、昔ながらの「これがいい」「あなたにはこれしかない」と決めつけるような提案営業は、かえって怪しまれてしまいます。成約率も、おそらくかなり低いと見ています。
これからは、提案そのものよりも、提案にいたる前段階のプロセスをどれだけ丁寧に対応して評価を得るか。その営業手法が時代に合っていると考えています。情報はたくさん入ってくるけれど、自分ではどれがよいのか不安で決断できない。だからこそ寄り添って、「今はこういう状態にあります」と現状を整理し、「こういう課題があります」と根拠を添えて伝える。「どうしたいですか」と意向を確認したうえで、はじめて「では、これに取り組みましょう」という対策提案になります。
ここでしっかりマネタイズできる形をつくると、比較されにくい営業になります。対策提案だけを前面に出すと、「あそこは安い」「ここは高い」と価格で比較されてしまう。そうではなく、関係性があるからこそ「あなたに決めます」となる。高い・安いではない落とし込みを丁寧に設計していくことが、これからの営業の流れだと捉えています。とりわけ大手が参入してくる市場では、中小企業の戦い方として理にかなった方法だと考えています。

縮む市場で競うより、伸びる相続市場へ——相続事業参入の3つの選択肢
不動産会社が相続に踏み出すとき、どのような選択肢があるのでしょうか。
消費者が減っていく一方で、業者の数はそう簡単には減りません。人口が減るなかで同じことを続ければ、マーケットは縮んでいきます。一方、相続という市場は拡大していく領域です。小さな市場で同業他社と競い合うより、他社がやりにくいことに一歩踏み出す。その意味で、相続の相談という事業には可能性があると考えています。
そのうえで参入のかたちを整理すると、大きく3つあります。一つ目は、そもそも参入しないという選択。ただ、不動産と相続は切り離せません。高齢化が進み、自社のお客様が相続に関わる確率も高まっていきます。相談できる場所がなければ、お客様は別の場所へ行ってしまう。自社のお客様を守るうえでも、相続相談に応じられる体制づくりは欠かせないと考えています。
二つ目は、業務委託・業務提携というかたちです。協業体制を組み、相続の相談に対応できるようにする方法です。三つ目は、事業モデルが整ったフランチャイズに加盟し、社内に相続コンサルタントを養成していく方法です。社員は会社の大きな資産ですから、コンサルができる人材を社内に育てられれば理想的です。そのためには、モデルも研修も、経験値を積むための伴走支援も要ります。自社で一から組み立てるのか、整った仕組みを活用するのか。各社の方向性に合わせて、早い段階で決めていくことが望ましいと考えています。

業務提携とFCで広がる相続コンサルタントの全国組織
杉村様が現在サポートされている事業について、ご紹介いただけますか。
弊社では、業務提携とフランチャイズの2つを展開しています。
業務提携は、基本的にランニングコストがかからないモデルです。集客の部分で「こういう形で声をかけてください」と協力体制を取り、相談者がいれば、私たちが相続コンサルタントとして対応します。最終的な対策提案まで進んだ段階で、プロセスを踏んで報酬を分担する。互いにメリットのある協業のかたちです。
もう一つのフランチャイズは、立ち上げから数カ月で、全国20拠点近くにまで広がりました。取材時点で50名以上の相続コンサルタントが、研修や事例・経験値の共有を重ねながら成長しています。なかには、加盟から数カ月で50万円規模の相続コンサル契約を受けられるようになった方も出てきました。
集客・販促のツールも整えており、私自身が毎月開催する相続セミナーを各加盟店にライブ配信し、勉強会として人を集める方法も取っています。販促事例や経験値の共有、毎月の定例研修など、継続的にアップデートできる環境を用意しています。費用感もありますので、毎月の事業説明会で詳しくお伝えしています。

次は、あなたの本業に「相続の相談窓口」を組み込みませんか?
デザインライフ様が実践してきた「相続を入口にした営業」と「業務提携・フランチャイズによる全国組織化」は、たまたまうまくいった取り組みではありません。相続という拡大市場で最初の相談接点を押さえ、本業の売却・建替え・保険見直しへ自然につなげていく。この事業構造そのものが、価格競争に巻き込まれにくい付加価値型の営業を支えています。
「本業の集客が頭打ちになっている」「他社との価格競争から抜け出せない」「既存のお客様から相続の相談を受けるが、どこに繋げばよいか分からない」。こうした課題に対し、相続の相談窓口を立ち上げることは、新規顧客接点・差別化・本業の受注増を同時に狙える有力な選択肢の一つになります。
私たちブランディングテクノロジーでは、デザインライフ様が運営する相続コンサルタントフランチャイズ「DL-CONSULTANT」の加盟店・業務提携パートナー募集資料を、オウンドメディアeslab上でご紹介・配布しています。資料では、なぜ相続が差別化につながるのか、本業別のシナジー、研修・サポート体制、フランチャイズ加盟と業務提携の2つの参画スタイルまでを紹介しています。相続を起点に新しい事業の柱を検討したい経営者の方に向けた内容です。





