今回ご紹介するのは、北海道札幌市で不動産売買事業とフランチャイズ事業を展開する「株式会社SUMiTAS様」です。直営店の運営とフランチャイズ本部の運営を両輪で進めながら、全国の加盟店とともに売買仲介のネットワークを広げてきた一社です。
売主獲得の主軸となるのは一括査定サイトですが、掲載する不動産会社が年々増えるなかで、反響からの生産性は以前より厳しくなっています。同社はこの状況に対し、仲介手数料の売上から逆算する集客単価だけでなく、リフォームや転売の粗利まで含めて収支を組み立てるという考え方で向き合ってきました。
同社は取材時点で、直営とフランチャイズを合わせて全国68店舗を展開。直営店については前期末の3店舗から今期末6店舗へ、さらに翌期9店舗へと、採用と出店の両面でアクセルを踏んでいる局面にあります。
本記事では、同社代表取締役 吉田宏氏に、一括査定サイトとの向き合い方と、これからの不動産会社が売主から選ばれるための考え方について詳しく伺いました。
▼本インタビューは動画でもご覧いただけます
目次
- 会社概要と事業内容
- 直営店の売主獲得を支える四つの入口 ― 一括査定サイト・自社サイト・紹介・リピーター
- 一括査定サイトは「単価の逆算」で見る ― 仲介手数料だけで測らない収支の考え方
- 媒体ごとに変わる売主の温度感 ― 集客手法から反響の質を読み分ける
- 追客システムは「状況の可視化ツール」 ― 頼りすぎるとアナログの強みが消える
- 全国ブランドと地域ブランドの二軸 ― タレント起用と、売主向けYouTubeに残る余地
- 「一生に1回の家」から複数回の住み替えへ ― 不動産流通量を増やすという業界観
- 住宅のコアの価値は変わらない ― フロー収入にストックを重ねるエネルギー事業構想
- 加盟店と刺激し合うFC本部でありたい ― 経営感覚の共有と、これからの挑戦
- 次は、あなたの街で「選ばれる不動産会社」になりませんか?
会社概要と事業内容
話し手

株式会社SUMiTAS 代表取締役 吉田 宏氏
北海道札幌市厚別区に本社を構え、不動産売買事業とフランチャイズ事業を手がける会社です。2019年9月の設立で、宅地建物取引業免許は国土交通大臣(1)第10075号。札幌の東日本事務局に加えて、東京事務局と愛媛県松山市の西日本事務局を置き、公式サイトでは27都道府県・71店舗(出店準備中を含む)の展開を公表しています。
代表取締役の吉田宏氏は1978年に香川県高松市で生まれ、愛媛大学在学中の2001年にアート不動産(現 株式会社アート不動産)を設立。同社の代表取締役を務めながら、2019年にSUMiTASの代表取締役に就任しました。宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、測量士補、二級建築施工管理技士の資格を持ち、賃貸から売買、管理まで幅広い実務を経験してきた経営者です。
▼株式会社SUMiTAS 公式ホームページ
https://sumitas-fc.com/
直営店の売主獲得を支える四つの入口 ― 一括査定サイト・自社サイト・紹介・リピーター
直営店では、売主の獲得に向けてどのような戦略を取られているのでしょうか。
入口は大きく四つあります。一括査定サイト、自社の集客サイト、ご紹介、そしてリピーターです。このうちメインになっているのは一括査定サイトで、自社サイトからの集客も年々増えてきました。
ただ、利益率という観点で見ると、ありがたいのは紹介とリピーターのお客様です。獲得にかかる費用の構造がまったく違うので、同じ「一件」として並べて評価はできません。
四つの入口をどう組み合わせるかは、エリアの競争環境にも左右されます。札幌はかなり競争が激しい地域なので、一つのチャネルに寄せきらず、複数の入口を並行して回していく形をとっています。

一括査定サイトは「単価の逆算」で見る ― 仲介手数料だけで測らない収支の考え方
一括査定サイトは利用者も増えていますが、それに比例して掲載する不動産会社も増えています。受託が難しくなっている状況で、どのような工夫をされていますか。
正直なところ、一括査定サイトからの集客の生産性は以前より厳しくなってきていると感じています。そのなかで収支を合わせようとすると、何を分母に置くかがポイントになります。
仲介手数料の売上から逆算した集客単価で考えるのか。リフォームを掛け合わせられるなら、その粗利も加えたうえで考えられるのか。転売の情報獲得コストまで混ぜていけるのか。こうした要素を組み合わせて経費を捉えないと判断ができない時代になりました。仲介手数料の売上だけで採算が合うエリアもありますが、札幌のように競争が激しい地域では、掛け合わせを考えていかないと厳しい部分があります。
さらに、初回の獲得コストだけで見るのか、その方がリピーターになって2回目・3回目が発生したときの経費として見るのか。どの目線で評価するかによって、見える数字が変わってきます。
サイト選定は、過去実績の根拠に基づいて判断する部分もあれば、利用している同業者の状況がある程度分かるサイトを見ながら決めることもあります。それでも当たり外れはあるもので、これをこうやれば確実という正解には、なかなかたどり着けません。

媒体ごとに変わる売主の温度感 ― 集客手法から反響の質を読み分ける
媒体によって、来られるお客様の質や傾向に違いはありますか。
偏りはあると考えています。その媒体がどうやってユーザーを集めているかによって、届く反響の性質が変わってきます。
SEOで集めているだけなのか、リスティング広告やディスプレイ広告、アフィリエイト広告まで含めて集客しているのか。集客手法が違えば、お客様の温度感、つまり「売る」ことに対する意識の強さも変わってきます。
ですから、媒体を比較するときは掲載料や反響数だけを並べるのではなく、その裏側にある集客の組み立てまで見ておきたいところです。同じ査定依頼という形で届いても、売却をどこまで具体的に考えている方なのかは、媒体ごとに傾向が出ます。

追客システムは「状況の可視化ツール」 ― 頼りすぎるとアナログの強みが消える追客システムは「状況の可視化ツール」 ― 頼りすぎるとアナログの強みが消える
かなりの件数を一括査定サイトから獲得されていると思いますが、そのリストへの追客ではどのような仕組みを入れていますか。
追客については外部の追客システムを導入しています。いま何が起きて、どういう状況になっているのかを可視化するうえで、システムはあった方がよいと考えています。
ただ、頼りすぎると逆効果になる場面もあります。売買はアナログな部分が強い仕事で、システムを鵜呑みにしてしまうと、お客様の感情的な部分の読み取りが弱くなっていきます。システムは状況の可視化ツールであって、決定を下すものではないというのが私の整理です。すばらしいバットを作ったからといって、野球をやったことのない人がプロ野球の球を打てるわけではありません。ツールでワンランク上がることはあっても、競争が激しくなったなかで勝ち切るには、それだけでは足りない部分があります。
一方で、システムの良さもはっきりあります。紙のアンケートだと項目を飛ばされたり、そこまで書いてもらえなかったりしますが、フォームなら入力が漏れません。当社ではGoogleフォームで入力していただいた内容を見ながら、そこをお客様に聞いて確認していく作業を大切にしています。紙の良さとシステムの良さのいいところ取りができれば、レベルは大きく上がります。メリットとデメリットの両方を把握したうえで取捨選択していく姿勢が、大事なポイントだと考えています。

全国ブランドと地域ブランドの二軸 ― タレント起用と、売主向けYouTubeに残る余地
売主が一括査定サイトで不動産会社を選ぶ際、ブランディングの影響も大きくなってきていると感じます。どのような取り組みをされていますか。
数年前から、藤本美貴さんの画像を広告素材に起用してブランディングに取り組んでいます。加えて、商標登録を伴うオリジナルキャラクターの制作も検討中です。親近感をいかに作るかというテーマは、これからも取り組んでいきたい部分です。文字が並んでいるだけの資料と、AIが画像を入れてくれた資料を見比べると、少しのイメージの違いで人の心は変わると感じます。伝え方は大事にしていきたいところです。
ブランディングには二つの軸があると考えています。FC本部としては、全国に加盟店があるなかで直営店も持っていることが信頼感につながります。加盟店にとっては、ブランドのなかで入口となるチャネルが増えることがメリットになる。自社での地域の流入経路と、全国ブランドとしての流入経路。インターネットの時代になると後者の強みが増してきますし、「不動産査定」のようなキーワードでは全国ブランドとしてSEOもそこそこ上がります。この二軸が両方にとって良い形になるよう進めていきたいと考えています。
発信については、YouTubeをやっていく方がよいのかなと考えているところです。買いたい方向けのチャンネルはルームツアーや住宅ローンの解説など既に数多くありますが、売主向けはまだ少なく、チャンスの余地が残っていると見ています。撮影の手間で比べても、買主向けは現地に出向く動画が中心になりますが、売主向けなら事務所でカメラを立てて説明する形が主になります。やりやすさという点でも、売主向けから始めるのは現実的な選択肢の一つだと考えています。

「一生に1回の家」から複数回の住み替えへ ― 不動産流通量を増やすという業界観
業界全体に対して、どのような課題意識をお持ちですか。
不動産の売却に対する理解を促進したいという思いがあります。日本では多くの方が3LDKや4LDKを、子どもが一人部屋を使える前提で選ばれます。けれども子ども部屋が必要なのは、中学から高校卒業までの6年間くらい。その6年間のために、これから35年、50年使う家の広さを決めているという構造があります。金利が上がってきたことも踏まえると、子どもが小さいときのサイズ、大きくなったときのサイズと住み替えていく方が、暮らしに合っていくのではないかと考えています。
アメリカは新築着工数が少ないと言われますが、一生に2回、3回と家を買う方が多い。1人が3回買っていれば、そのたびに新築するわけではないので、流通量のなかの新築割合は下がります。仮に人口が1割2割減ったとしても、これまで一生に1回しか家を買わなかった方が1.5回、2回買うようになれば、市場は広がります。人口減少よりも、複数回買ってくださる方が増える方が、裾野は広いと思っています。
制度面でも動きがあります。国土交通省と住宅金融支援機構は、月々の返済負担の軽減が見込める残価設定型住宅ローンの供給を促すため、残価が当初の想定を下回った場合の金融機関の損失をカバーする「特定残価設定ローン保険」を創設し、2026年3月から運用を開始しました。一生ローンを払い、一生そこに住み続けるという形だけでなく、自由度の高い暮らし方が出てきてほしい。不動産を買って売ることそのものが人生をより豊かにすると考えているので、そうした活動をしていきたいと思っています。
出典:固定金利型住宅ローンの利用円滑化等の取組内容を発表します!|国土交通省
https://www.mlit.go.jp/report/press/house01_hh_000128.html

住宅のコアの価値は変わらない ― フロー収入にストックを重ねるエネルギー事業構想
OBのお客様からのリピートやご紹介の獲得について、これから取り組みたい構想はありますか。
いま一番やりたいのはエネルギー事業です。ガス、北海道であれば灯油。家を買ってくださったお客様のご自宅にエネルギー供給を行うという構想です。
ガスを供給していると数年に1回はガス点検が必要になり、その点検に合わせて建物の点検もできます。毎月売上が立つものであれば、接点を継続しながら、ガス機器のメンテナンスをしている会社が建物のメンテナンスも担い、不動産の相談も受けられる。そうした連携がつながりやすいと考えています。ガス会社や灯油会社は、地域の相場のなかで適切に安い金額を設定していれば、強いこだわりが生まれにくい領域でもあります。
背景にあるのは、売買事業で一番必要なのはストック収入だという課題意識です。売買はフローの収入ばかりで、なかなか積み上がりません。松山の会社では賃貸管理も手がけているので賃貸はストックになりますが、売買側でストックを作ろうとすると収益物件の保有に寄りがちです。不動産を保有するのではなく、手数料型のなかで積み上がる仕組みを売買業界にも作りたいという思いがあります。
そう考えたきっかけは、住宅のコアの価値を整理してみたことでした。家でくつろぎ、ご飯を食べ、寝て休むという空間の価値は、建物ができてから何千年も変わっていません。私たちの関わり方は江戸時代の長屋の頃から大きく変わってきましたが、コアの価値は300年後も変わらないはずです。スマートフォンやノートパソコンは100年後には存在しないかもしれませんが、家でくつろぐ空間は残ります。コアの価値が変わらずにあり続けられる業界というだけでも、冷静に考えるとかなり恵まれた業種だと思うのです。
衣食住で言えば、食を充実させるにはいいキッチンといいリビングが必要で、衣を充実させるにはいいクローゼットが必要になります。衣食住の中心は住であり、業界の根っこはそれだけ強い。賃貸なら管理会社の切り替えで一度に100件単位でガスの供給が増えるので、業界的には賃貸の方が楽でした。ただ、時間はかかっても戸建ての売買をコツコツ積み上げていくこと自体に価値があると思っていて、そこにチャレンジしたいと考えています。

加盟店と刺激し合うFC本部でありたい ― 経営感覚の共有と、これからの挑戦
SUMiTASのフランチャイズは、どのような仕組みなのでしょうか。加盟される方の傾向も含めてお聞かせください。
システム面では、顧客管理システム「AGS」をはじめ、物件や顧客の管理に必要な仕組みを提供しています。ただ、売買はアナログな部分が大きい仕事なので、システムはあくまでプラスアルファだと捉えています。
本部として価値を置いているのは、加盟店同士、そして直営店との刺激です。直営店でどういう取り組みをしているのか、新卒1年目のメンバーがどれだけの数字を作っているのか。そこに触れること自体に大きな価値があると考えています。加盟店のなかにも、高卒採用で結果を出されている会社があります。直営店は前期末の3店舗から今期末は6店舗へ、翌期は9店舗へと拡大を進めており、短期間でスタッフを成長させる教え方を試行しているところです。同じ看板のもとで、理屈だけでなく現場のスタッフがどういう気持ちで動いているのかまで共有できる点を大事にしたいと考えています。
加盟される方はさまざまです。賃貸から売買を始めた会社、異業種から新規開業で選んでくださった方、建築から入ってこられた方もいます。基本は売りから入る形にしていますが、売りはお客様との信頼関係が必要で、経験値が上がっていないとハードルが高くなります。買いから入りやすいケースもあるので、エリアと会社の状況に応じて打ち合わせながら決めています。短期で立ち上がりやすいのは、不動産の経験があって独立時に看板を借りるパターンで、1年目から大きな売上を作られている加盟店もあります。
異業種から参入される方にお伝えしているのは、不動産業は他業種以上に成功報酬型の色が強いということです。1日中お客様をご案内しても、相続のご相談で1日50枚の写真を撮っても、決まらなければ1円にもなりません。飲食店なら1か月に1,000人来店して売上が立たないという状況はまず起きませんが、不動産業は集客だけでは売上になりません。
一番つらいのは、お客様のご要望をそのまま受け取ってしまうパターンです。「2,000万円まで」と言われて2,000万円台の物件を20件ほどご案内し、その結果お客様は「2,000万円では希望の物件がない」と気づかれ、他社で予算を2,500万円に上げて一発で決まる。前の会社は、お客様が気づくための学びをボランティアで提供しただけになってしまいます。スタッフからすれば真面目に仕事をしているだけで、良い悪いの話ではありません。だからこそ、お客様に満足していただきながら自社の売上にもつながる動きができるよう、責任者が経営感覚を持つことが求められます。
システムも大切ですが、アナログな気持ちや思いを大事にして、その考え方を落とし込めること。理念や考え、心情の部分をFCの軸にしたいと考えています。チャレンジすることが人生の楽しさだと思っているので、自社の成長も加盟店の成長も含めて、いろいろな挑戦を皆さんと一緒に進めていきたいと考えています。

次は、あなたの街で「選ばれる不動産会社」になりませんか?
SUMiTAS様が実践されている「一括査定サイトの収支を複数の粗利で組み立てる考え方」と「システムとアナログを併用した追客の設計」は、特別な発想ではありません。反響単価が上がり続ける市場では、集客チャネルごとの採算をどの目線で測るか、届いた反響を人の手でどこまで読み取れるかが、媒介獲得の差につながっています。売主が会社を選ぶ判断材料としてブランドの見え方が効いてくる点も、規模を問わず共通する変化です。
「売買を扱いたいが実務手順が社内にない」「営業を採用しても立ち上がりに時間がかかる」「物件公開と顧客管理を別々に契約していて負荷が重い」「地域での知名度が弱く初回接点で他社に負けている」。こうした課題に対して、不動産売買仲介に特化したフランチャイズ「SUMiTAS」は、直営店が実際に使っている営業手法の共有、スーパーバイザーによる伴走、物件公開システム「SiS」や顧客管理システム「AGS」の提供、全国ブランドと売却査定サイトを組み合わせた集客チャネルを用意しています。同社資料の記載によると、本部直営店の仲介件数は店舗平均で年間216件とされています(加盟店の平均値ではありません)。
なお、不動産売買仲介の開業には宅地建物取引業免許の取得や専任の宅地建物取引士の配置といった法定の要件が伴い、フランチャイズ加盟によってこれらが免除されるものではありません。加盟金・ロイヤリティの内訳や契約条件、提供システムの詳細は、加盟案内資料と本部へのご確認をおすすめします。
弊社ブランディングテクノロジーが運営するメディア「eslab」では、株式会社SUMiTAS様の加盟案内資料を無料でご提供しています。売買を自社の柱に育てたい会社、独立・開業を検討されている方、異業種から不動産業へ参入したい会社は、ぜひ一度ご覧いただければと思います。
【SUMiTAS】手厚いのに、はじめやすい不動産FC|SUMiTAS 加盟案内資料
SUMiTASの成り立ちと沿革、業績、全国の加盟店ネットワークと展開エリア、選ばれる3つの理由(売買ノウハウ/独自システム/全国ブランド)、システムと集客の仕組み、加盟金・ロイヤリティに含まれるサポート内容までをまとめた資料です。




